トレーニングと同じくらい重要なオフの過ごし方

高輪で鍼灸治療院を開いている今野です。

自身が元競泳選手ということもあり、アスリート専門の治療院となっております。

一般的な治療院との違いは、痛みを治すことや硬い部位を緩めるだけではなく、「特定の部位に力が入っていない」ことや「可動域が狭い」あるいは「自覚していない骨格の歪みや筋力不足」などを改善してパフォーマンスアップに繋げることをゴールにしている点です。

今野鍼灸治療院では治療のその先を常にイメージしながら、アスリートの自己実現をサポートしていきます。

アスリートにとってオフの過ごし方は翌日からまた始まるトレーニングの日々のためにも、試合やレースといった本番のためにもトレーニングと同じくらい重要です。
身体を動かさないように「ただ休む」というオフの過ごし方だけではなく、色々な身体の休め方、回復方法がありますので今回はそれらについて詳しく解説していきます。
オフの日の過ごし方は、年齢や種目によっても大きく異なり、「絶対にこれがいい」という一つの正解があるわけではありません。
よって、まずは自分の知らないオフの日の過ごし方があるのかどうかという情報を集める、ここで挙げた方法を試してみる、コーチやトレーナーと相談する、などの試行錯誤をすることをおすすめします。 

睡眠

説明の必要がないくらい一般的でもあり、自然な行動でもある睡眠です。

成長ホルモンの分泌、筋肉や内臓の回復、成長期であれば骨の成長など、様々な機能が活動を一旦休止して回復する機能を高めてくれます。
特に脳の疲労回復においては、睡眠が重要となります。

トレーニング中やトレーニング後に「疲れた」と思ったのであれば、それは筋肉だけでなく脳も疲れています。
ただでさえ現代社会はストレス社会とも言われています。
社会人アスリートや一般の趣味でスポーツを行なっている方々は仕事でのストレス、人間関係のストレスもある程度感じているはずです。
中高生には中高生なりの精神的ストレスやプレッシャーもあります。

それらを回復する最も効果的なのが睡眠です。

日々運動をしている人は日常的に睡眠不足にならないようにすべきです。
また、オフの日にまだ寝たりないなら昼寝をしてみましょう。
但し、オフの日の朝はなるべくいつもと同じ時間帯に起床して、その上での昼寝を行うようにし、体内リズムを崩さないことをおすすめします。

ストレッチ

セルフケアの代表例であるストレッチです。
ストレッチは関節可動域を広げたり、筋肉の疲労回復効果があります。

筋肉量の維持にも一役買っているという研究結果もありますので、トレーニングをしていない日もストレッチをしたほうがベターということになります。
また、副交感神経を優位にする働きもありますので、睡眠の質を高めてくれます。
よって、入浴で身体を暖めた後にストレッチをし、副交感神経を高めてから眠りに入る、という流れがオススメです。

尚、どこかが痛いというアスリートはその部位のストレッチはやめておき、早急に施術を受けてください。
ストレッチで悪化する可能性もあるからです。

ストレッチに関しては「ストレッチの間違った認識と正しいストレッチを行う上でのポイント」という記事も書いておりますので、そちらも是非参考にしてみてください。

ストレッチの間違った認識と正しいストレッチを行う上でのポイント
https://konno-chiryo.com/stretch-point/

サウナ、入浴

物理的に身体を暖めることで血流が良くなり、筋肉や内臓に溜まっていた疲労物質が流れて代謝され回復します。
自律神経(交感神経・副交感神経)も整えてくれるので、入眠時刻や起床時刻が毎日バラバラだったり、寝る直前まで蛍光灯を使っていたりスマートフォン・TV画面を見ている人は毎日入浴して自律神経を整えるようにしましょう。

また、セルフストレッチをする際も身体が暖まっている時にやるべきなので、ストレッチが好きな方はサウナか入浴とセットで行うとベターです。
自律神経の乱れとサウナに関してはそれぞれ詳しく記事を書いておりますので、そちらも是非参考にしてみてください。

自律神経の乱れからくる春の眠気に対する対処方法
https://konno-chiryo.com/autonomic-nerves/
サウナの利点と注意点
https://konno-chiryo.com/sauna/

酸素カプセル

30~60分ほど、気圧を変えたカプセルの中で過ごすことで通常よりも多くの酸素を取り入れることができ、その効果としてリフレッシュ効果や疲労回復効果があると言われています。
また、脳内への酸素供給量が増すことで入眠しやすかったり、睡眠の質が上がることもあるそうです。
気圧が高いほうが効果が高いと言われています。

お店や機械によって設定できる気圧は異なりますので、なるべく気圧を1.3まで上げられるお店・機械を選ぶようにしましょう。

リカバリーウェア

「リカバリーウェア」で検索すると色々と出てきます。
簡単に説明すると、特殊な素材を使った服で、着ている時間だけ疲労を回復してくれる、というアイテムです。

僕自身も愛用しており、僕はVENEXという会社のリカバリーウェアを着て寝ています。
これはあくまでも僕個人の感覚と感想なので参考程度にして欲しいのですが、着て寝た時と着ないで寝た時の差は20%くらいで、「あ、ちょっと今日マシかも」と思うようなレベルです。
でもそれだけであったとしても、より回復していたほうが良いのは確かですし、これの利点は着ているだけで回復力が増すことであり、他になんの労力もかからないところです。
今より少しでも回復力を高めたい人にはオススメです。

アクティブレスト

低負荷(話しながらでも余裕でトレーニングを継続できるレベル)で30~60分ほどの運動をして、血液循環を高めて疲労を抜くことを目的とします。
アクティブレストは合う合わない、疲労度のレベルにもよります。
詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。

アクティブレストとは?実施にあたっての注意点
https://konno-chiryo.com/active-rest/

低周波治療機/マイクロカレント

最近は家庭用、持ち運び用の機器もだいぶ増えました。
整骨院にはよく置いてある電気治療機のポータブル版です。
低周波は筋肉をほぐしてくれますし、マイクロカレントは捻挫や肉離れなどに効果があります。

メリットは「ながら」で行えること。
デメリットは、低周波に関しては表層の筋肉しかほぐせず、深層の筋肉には届かないと思ってください。

施術

整骨院、接骨院、鍼灸院、整体院などは身体の専門家がケアをしてくれます。
セルフケアと異なり、専門家が施術をするので、ご自身では目が行き届かない部位や気付かなかった部位にもケアが行き届きます。
特に痛みがある場合はセルフケアで症状を改善するのは非常に困難ですので、なにか症状のあるアスリートはなるべく早くケアを受けるようにしてほしいです。
トレーニング頻度や質の高いアスリートは何も症状がなくても定期的に通うことをオススメします。

スポーツに対する知識、施術者との相性、施術者の得意分野(例えば腰痛は得意だけど頭痛は不得意など)、立地条件や料金体系など、色々と内容が変わってきます。
ご自身のニーズや好みに合う施術者を絶対に見つけておきましょう。

オフの日の重要さを再認識しよう

厳しいトレーニングを日々行なっているアスリートほど、オフの日の過ごし方も重要になってきます。
トレーニングと同じくらいレストが大事というのは、言い過ぎではありません。

オフの日でしっかりと回復しないと次の日からのトレーニングの質が下がってしまいますし、トレーニングの質が下がるということは目標到達へは遠回りになってしまいます。
個人的には上記のどれが一番大事ということではなく、それぞれの特徴や差はあったとしても、全部大事ですので、ご自身の状況に応じて選択してください。

そして痛みがある場合は間違いなく専門家によるケアを受けて欲しいです。
我慢しても良いことはありませんし、ご自身で判断して治そうと思っても難しいですし、悪化する可能性もあります。
症状が重くなると治るまでの時間も長引いてしまいます。

今のご自身のニーズに合わせて、オフの日をどう過ごして回復させるかを決めていってください。

著者プロフィール

今野 弘章
今野 弘章
自身の元競泳選手の経験や、「アスリートは体の痛いところを治せば良いわけではない」という考えから、

競技中(日常生活)の痛みの改善
「この部位に力を入れられない」といった身体の悩みの改善
通常時、痛み時のトレーニング
日頃のメンテナンス

など、より良いパフォーマンスにつなげるための、治療、指導を行っております。

関連記事

  1. 運動不足が引き起こす身体の変化やリスクと運動の始め方

  2. 怪我や痛みを重症化させないためには

  3. アクティブレストとは?実施にあたっての注意点

  4. 膝痛(筋肉が硬くなることで生じる症状)の原因を細かく解説。筋…

  5. 陸上スポーツのアスリートには必須。臀筋の基礎知識とトレーニン…

  6. パフォーマンス、肩のケガ予防につながる前鋸筋の使い方