アスリートも意識すべき内臓疲労

高輪で鍼灸治療院を開いている今野です。

自身が元競泳選手ということもあり、アスリート専門の治療院となっております。

一般的な治療院との違いは、痛みを治すことや硬い部位を緩めるだけではなく、「特定の部位に力が入っていない」ことや「可動域が狭い」あるいは「自覚していない骨格の歪みや筋力不足」などを改善してパフォーマンスアップに繋げることをゴールにしている点です。

今野鍼灸治療院では治療のその先を常にイメージしながら、アスリートの自己実現をサポートしていきます。

アスリートは身体を動かすので、筋肉だけを使っている、故に筋肉のケアだけをすれば大丈夫と思っていたりしませんか?
僕自身が現役選手の時はそう思っていました。
しかし、施術者になった今は違います。

筋肉のケアをしないでトレーニングを継続すれば関節の炎症など重大な症状に繋がりますが、それは内臓疲労も同様です。
内臓もしっかりとケアをしていかないと、

  • 疲労が溜まる
  • 回復力の低下
  • 筋肉が硬くなる
  • 呼吸がしにくい

など、様々な症状が生じてきます。
アスリート自身にも内臓に意識を向けて欲しいので、この記事を読んで内臓への理解を深めましょう。

内臓疲労からくる身体の変化

内臓疲労が進むと様々な症状が出ます。
その中でも特に多く見られる症状を3つ挙げて解説していきます。

体幹部の硬さ

内臓に負担がくるとお腹や背中、腰の筋肉が硬くなります。
これは負担のきている臓器の血流が悪くなり、隣り合っている組織・細胞を経由して周りの筋肉や腹膜などの血流も悪くさせてしまうことで硬くなるという点がひとつ。
もうひとつは血流の悪くなった臓器は老廃物の溜まった血液を溜めやすくなるので、その分重くなり、重くなった臓器は垂れ下がります。垂れ下がる臓器を支えているのは周辺の組織、腹膜を経由して最終的には体幹部の筋肉や皮膚になります。
支えている時間の長さだけ筋肉や皮膚に疲労が溜まりますので、その分硬くなる、ということに繋がります。

体幹部が硬くなるとパフォーマンス(動き)にも制限がかかってしまい、良い結果には結びつきません。
また、その硬さによって新たにどこかに症状が出たりしますので、体幹部の硬さというのは放っておいて良いことはひとつもないです。

呼吸のしにくさ

横隔膜という膜が肺の真下に位置しており、横隔膜が動くことで肺が大きくなり呼吸することができます。
その横隔膜より下に位置している臓器が重くなると横隔膜もつられて垂れ下がってしまいます。
そうすると横隔膜の動きの制限に繋がりますので、その分呼吸がしにくくなります。
横隔膜は横隔膜で腹膜を経由して最終的には筋肉や皮膚が支えているので、こちらもやはり筋肉や皮膚の硬さに繋がってしまいます。

回復力の低下

内臓の働きというのは、一言で言えば身体を回復させる能力です。
栄養素の運搬や疲労物質・老廃物の排泄など、その日の疲れを寝ている間に回復させて翌日元気にするために働いてくれています。
内臓疲労がきてしまってその働きが低下するということは、回復力の低下に繋がり、トレーニングによる疲労が抜けないまま翌日を迎えることに繋がってしまいます。
それが続いて全身の疲労が溜まりすぎた場合は、本来予定しているトレーニングの質を継続できないことに繋がります。

特に疲労がきやすい臓器

当院においてのアスリートで、特に疲労がたまっていることの多い臓器としては胃と肝臓になります。

胃はストレスからくる自律神経の負担できやすいように見受けられます。

肝臓は実質臓器といって、臓器の中身が身で詰まっている臓器をいい、中身がある分やや重い臓器になります。(小腸や大腸など、中身が空洞の臓器を管腔臓器といいます)
実質臓器の中でも肝臓は重く、大体1kg強ほどの重さがあります。
1kgのダンベルを手に持ちながら走ったら結構な負荷だと思いますが、元々身体の中にあるためにほとんどの人がそこまで意識したことはないかもしれません。
それ故に知らず知らずのうちに負担が溜まっていてもおかしくはないでしょう。

内臓疲労の原因

原因は主に「ストレス」、「運動のし過ぎ」、「食べ過ぎ」の3になります。
それぞれ解説していきます。

ストレス

ストレスが大きすぎるとは自律神経に悪い影響を与えます。

胃潰瘍を例にしてみます。
ストレスを感じると交感神経(自律神経の片割れ。もうひとつが副交感神経)が働き、交感神経が優位になる時間が長くなり、その分胃の血管が収縮してしまい血流が悪くなります。
そうなると胃酸や粘液の分泌が不充分となり、胃の蠕動運動(ぜんどううんどう)が低下します。
特に粘液というのは胃壁を守るバリアでもありますので、その粘液が不充分ということはバリアが足りていないので、その結果、胃壁を傷つけたり、穴が空いたりしてしまいます。
胃壁に穴が空く病態のことを胃潰瘍といいます。

運動のし過ぎ

運動のし過ぎでは、特にランニング・ジョギング動作が入るスポーツが当てはまります。
走る動作では内臓が揺らされるので、その分内臓疲労に繋がってしまいます。
でこぼこ道を自転車で走るとガタガタでサドルに座っていられない、座っているととても不快、痛いということがあります。
それと同様で、走っている振動や衝撃は内臓へ伝わっていますし、その時間と比例して疲労が溜まります。

また、運動をしていると血液が筋肉に優先的に流れますので、内臓への血流量が減ります。
1日に1~2時間程度であればそこまで深刻な血流量の低下には繋がりませんが、あまりにも長時間というのは内臓への負担というのも考えて頻繁にケアを受けるなどの対応が必要となってきます。

食べ過ぎ

食べ過ぎというのはなんとなく理解されている、感じる方もいらっしゃることでしょう。
一度に大量の食べ物が入ってくる、しかも頻繁に食べていると、その大量の食べ物を消化するために内臓の長時間の働きが求められてしまいます。
内臓にも休憩時間は必要ですので、食べる量というのは腹八分目であったり、しっかりとお腹が空いてから食べたり、時には意図的に内臓を休ませてあげる必要もあります。
アスリートは運動量との兼ね合いで食べる量やその栄養素も非常に重要になってくるので、食べることもまた練習の一環と捉えるアスリートも少なくないです。
その場合は我流で闇雲に食べるのではなく、管理栄養士など専門家の意見も取り入れて適切に食べていくことが望ましいです。

あなたの疲労は運動によるものですか?内蔵からくるものですか?

トレーニングをすれば体幹部の筋肉を使わないスポーツはないと言っても過言ではありませんので、お腹や背中、腰に疲労や張りを感じるのが日常的なのは普通なことです。
ただ、その疲労はトレーニングだけからくるものなのか、実はそのうちの何割かは内臓疲労からきているものなのか、おそらくご自身だけでは気づけません。
もし筋肉的なアプローチのケアしか受けておらず、それで症状が改善しきらないという場合はもしかしたら内臓疲労が原因として潜んでいるのかもしれません。
気になるようでしたら内臓の調整、内臓の治療をしてくれるような施術者を探すべきです。
巷には様々な治療院がありますので、一概に一言で「こういったところがいい」とは言えませんが、鍼灸治療というのは本来こういった内臓へのアプローチを得意とする施術方法ですので、鍼灸院を中心に探してみてください。

筋肉のケアと同じくらい重要な内臓のケア

疲労が溜まったり、回復力の低下、筋肉が硬くなること、呼吸のしにくさなど、内臓疲労からくる症状というのは多岐にわたります。
筋肉のケアをしないでトレーニングを継続すれば関節の炎症など重大な症状に繋がりますが、それは内臓疲労も同様です。
特に心肺機能が左右するマラソンやトライアスロン、バスケやサッカーの長時間の試合をするスポーツでは後半の体力にも影響してきます。
是非これを読んだことを機にご自身の内臓へも意識を向け、定期的にケアを受けているならその施術内容やそれに対するご自身の身体の変化、改善具合にも目を向けてみましょう。
定期的にケアを受けていないなら症状が重くなる前に是非ケアを受けるようにしてください。

著者プロフィール

今野 弘章
今野 弘章
自身の元競泳選手の経験や、「アスリートは体の痛いところを治せば良いわけではない」という考えから、

競技中(日常生活)の痛みの改善
「この部位に力を入れられない」といった身体の悩みの改善
通常時、痛み時のトレーニング
日頃のメンテナンス

など、より良いパフォーマンスにつなげるための、治療、指導を行っております。

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