肉離れにならないために。バランスボールを利用したハムストリングスのトレーニング

高輪で鍼灸治療院を開いている今野です。

自身が元競泳選手ということもあり、アスリート専門の治療院となっております。

一般的な治療院との違いは、痛みを治すことや硬い部位を緩めるだけではなく、「特定の部位に力が入っていない」ことや「可動域が狭い」あるいは「自覚していない骨格の歪みや筋力不足」などを改善してパフォーマンスアップに繋げることをゴールにしている点です。

今野鍼灸治療院では治療のその先を常にイメージしながら、アスリートの自己実現をサポートしていきます。

ハムストリングス(以下略してハム)は全ての運動に関与していると言っても過言ではありません。

例えば陸上の動きで言えば走る、ジャンプする、自転車を漕ぐ。
水泳でも飛び込み、ターン後の壁蹴り、キック。

爆発的な脚力を生むのは裏ももであるハムです。

同時にハムは肉離れが起きやすい部位でもあります。

100m、200mの世界記録保持者(2020年現在)であるウサイン・ボルト氏もハムの肉離れを経験しています。

肉離れの原因は筋力不足、特に大腿四頭筋(ももの前面)とのアンバランスさ、柔軟性の欠如、冷えが主な原因として挙げられます。

特に筋力不足とアンバランスさにおいては筋トレでカバーできるものですから、既に肉離れを経験している方は勿論のこと、例えばハムを攣りやすい方もこの記事を読んで今後のアスリート生活に活かしていってください。

筋トレの種類

筋力トレーニングには様々な種類があり、ハムを鍛える筋トレで例を挙げると以下があります。

  • フリーウェイトならデッドリフト。
  • マシンを使うならレッグプレス、レッグカール。
  • 自重ならランジ、スクワット。

どの種類の筋トレも一長一短あり、どれかが全ての選手に最適ということはありません。

また、例えディスタンス系のアスリートでも筋トレを取り入れるのがこの何十年か言われている主流です。
マラソン選手が筋トレをせずにランだけのトレーニングを行っていた場合、実は筋力は徐々に失われていくという研究結果もあります。

アスリートが行う筋トレの種類で推奨されているのはフリーウェイトです。

フリーウェイトはバランスを取りながら行うので、鍛えている箇所以外にも刺激が入ることもメリットのひとつです。

ただ、デッドリフトを行う場合、資格を持ったトレーナーとマンツーマンで行う必要があります。
また、デッドリフトは腰にも強い負担がかかりますので、間違ったフォームや重すぎるウェイトを使っていると故障の原因にもなります。

マシンの場合には動きが固定されているので決まった動きしかできないためそういった故障のリスクは低いのですが、固定されているからこそフリーウェイトのように鍛えていない箇所への刺激というのはありません。

しかし、自重で全てのトレーニングを行うというのはトップアスリートの場合は負荷としては不充分になります。

また、マシンにせよフリーウェイトにせよ、筋肉をつければその分強くもなりますが、重くもなります。
その重さがパフォーマンスに影響するのを嫌がる選手も少なくありません。

特にディスタンス系であればなるべく筋肉の太さは変えずに質を高めるようなトレーニングが求められると思います。

そのため、今回はバランスボールを使ったハムの筋トレをご紹介していきます。
(チームに専属のトレーナーがいる場合はしっかりと話し合って筋トレの内容を決めていきましょう)

バランスボールを使ったハムのトレーニング

レベルを2つにわけてご紹介します。

正しく実践いただけるよう、動画もご用意しています。
是非、動画を見ながら実践してみてください。

  • レベル1
    1. バランスボールの上に両足をのっけて仰向けで寝る。
    2. 両膝を曲げるのと同時にお尻を上げて、膝が曲がり切るまで曲げていく。
    3. 足を伸ばして最初の姿勢に戻る。
  • レベル2
    1. バランスボールの上に片足をのっけて仰向けで寝る。
    2. 乗っけた方の膝を曲げるのと同時にお尻を上げて、膝が曲がり切るまで曲げていく。
    3. 反対の足はまっすぐ伸ばして上半身とおおよそ一直線になるような位置でキープしておく。
    4. 足を伸ばして最初の姿勢に戻る。

回数は10回を基本とし、ご自身のレベルにあったセット数を行いましょう。

毎日のように何かしら運動を行っている方、高校生や大学生アスリートであれば10回×3セットを週に2~3日行うと良いと思います。

トレーニング時の注意点

トレーニングを行う際には、以下点にご注意ください。

  • ボールの位置はかかとからふくらはぎが少しのっかるような位置に調整する。
  • 勢いをつけずになるべくゆっくり行う。
  • 鍛えているハムに意識を集中して行う。
  • ハムが攣りそうになったらすぐにやめる。
  • 毎回お尻を下げた時に床につけずに浮かした状態で行うとプラスアルファの負荷に繋がる。

ハムの重要性

どの種目のアスリートでも、どのレベルのアスリートであってもハムは絶対に鍛えるべき筋肉のひとつです。

特に走る、ジャンプする、急に止まる、急に方向転換する、といった動作が入るスポーツでは急激な筋繊維の収縮により肉離れが起きやすいので、それに耐えられる筋肉と柔軟性をもっている必要があります。

柔軟性においてはトレーニング直後や入浴直後の体が暖まっている時ならストレッチをおすすめします。

大好きなスポーツを怪我なく毎日行うためにも、是非ハムをしっかりと鍛えていきましょう。

著者プロフィール

今野 弘章
今野 弘章
自身の元競泳選手の経験や、「アスリートは体の痛いところを治せば良いわけではない」という考えから、

競技中(日常生活)の痛みの改善
「この部位に力を入れられない」といった身体の悩みの改善
通常時、痛み時のトレーニング
日頃のメンテナンス

など、より良いパフォーマンスにつなげるための、治療、指導を行っております。

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