高輪で鍼灸治療院を開いている今野です。
自身が元競泳選手ということもあり、アスリート専門の治療院となっております。
一般的な治療院との違いは、痛みを治すことや硬い部位を緩めるだけではなく、「特定の部位に力が入っていない」ことや「可動域が狭い」あるいは「自覚していない骨格の歪みや筋力不足」などを改善してパフォーマンスアップに繋げることをゴールにしている点です。
今野鍼灸治療院では治療のその先を常にイメージしながら、アスリートの自己実現をサポートしていきます。
アスリートだけではなく、経営者などを始めとする健康や疲労回復、体調管理に人一倍気をつけている方々の多くはサウナに日常的に行くようです。
なぜそんなにもサウナが好かれるのか、具体的な利点を注意点とあわせて詳しく書いていきます。
目次
サウナの利点
サウナの利点には、具体的に以下の6つの点が挙げられます。
疲労回復
サウナに入っている時は安静時の約2倍近くの血流になるといわれています。
その分、酸素摂取量の増加や疲労物質、老廃物の排出を促してくれます。
その結果が疲労回復に繋がります。
比較的高温度のサウナの方が肉体疲労の回復には適していますので、サウナ内の上段に座ると良いでしょう。
汗腺の掃除
汗が出てくるところを汗腺といい、皮膚に点在しています。
汗腺は使えば使うほど、つまり汗をかけばかくほどそこにある老廃物が外に排出されるため、きれいになります。
逆にあまり汗をかかないと汗腺が詰まりやすく、汗がにおいやすくなりますので汗は沢山かくほうが望ましいです。
ストレス解消
高温の空気が皮膚を刺激し、皮膚から神経へと刺激が繋がり、神経の興奮を抑えてくれる効果があります。
その神経の興奮を抑えることでストレスの解消へと繋がるといわれています。
比較的低温度のサウナの方がストレス解消には適していますので、サウナ内の下段に座ると良いでしょう。
安眠効果
サウナに入ると交感神経が高ぶります。
その後水風呂に入ったり外に出たりすることで高まった交感神経が落ち着き、同時に副交感神経が高まります。
副交感神経が高まって優位になっていたほうが睡眠の質が高まります。
寝たい時刻から逆算して90~120分前くらいまでにサウナを終わらせるよう時間の調整をしましょう。
内臓疲労の改善
血流が増すことで内臓への血流も増しますので、その分内臓へ栄養を届ける量が増え、老廃物等を排出する手助けになります。
内臓が回復すればその分寝ている間の内臓の働きが向上しますので、翌朝の回復具合が変わっているはずです。
HSPの増加
HSPとはヒートショックプロテインの略で、損傷を受けたタンパク質を元通りに修復してくれる働きがあります。
トレーニングによる筋肉細胞の破壊、疲労、血管の梗塞、紫外線に当たりすぎた肌など、様々な細胞の異常に対してHSPが修復をしてくれるのです。
そのHSPは細胞に熱を加えることで生まれるので、サウナに入っている時も生まれています。
お風呂との違い
身体が温まるならお風呂も一緒では?と思う方も多いかもしれませんが、そこには明確な違いがあります。
それは水圧です。
お風呂に入ると身体の周りを取り囲むお湯が圧となって身体を圧迫します。
本来は熱で血管が拡張(広がる)しますが、同時に水圧で拡張を抑え込んでしまいます。
サウナにはその水圧がありませんので、その差分が血管拡張という点においてはサウナに軍配が上がります。
ただこれはお風呂がダメという話ではありません。
シャワーだけで済ますよりもよっぽど良い効果が得られますので、毎日湯船に浸かりましょう。
サウナにおける注意点
サウナ利用時には、以下の6つの注意点に気をつけるようにしましょう。
適度に身体を冷やす
サウナに入った後は水風呂に入ったり外に出たりして適度に身体を冷やしましょう。
冷やす時に「ふ~気持ちいい」と思っている瞬間に副交感神経が高ぶっているのです。
水分補給
サウナに入れば相当の汗をかきます。
そのため、少なくてもコップ一杯、サウナに入っている時間次第では二杯を前後に飲みましょう。
特にサウナ後は汗に含まれているミネラルも失っているので、ミネラルの含まれたものが理想です。
また、安眠効果を得るためにも多くの人が夜サウナに行かれると思います。
よって、カフェインの含まれていない飲み物にしましょう。
ミネラルの入ったカフェインレスの飲み物といえば、ずばりミネラル麦茶です。
水分補給は冷たすぎない飲み物に
水分補給は冷たすぎない飲み物にしましょう。
せっかくサウナで身体、内臓を温めたのにキンキンに氷で冷やしたような飲み物を飲むと胃の血流が悪くなってしまいます。
サウナ後の飲酒もおすすめしません。
飲酒サウナ後のサウナはNG
万が一サウナの中で寝てしまってはいけません。
飲酒後はサウナは絶対にNGです。
長時間のサウナには注意
サウナの効果を得たいがあまり、長時間入っているのも注意が必要です。
個人差はありますが5~10分程度で充分に汗が出てくるはずなので、無理をせずにご自身の身体と対話するようにしましょう。
実は直感で「あ、そろそろ良いかも」と思ったタイミングがその人にとってベストなタイミングなのです。
どんなに長くても20分までにしておきましょう。
疾患がある場合には、必ず主治医と相談
基礎疾患、特に高血圧や心臓・血管系に疾患を抱えている方はまず主治医と相談しましょう。
数年前に元力士の親方がサウナ後に倒れたというニュースがありました。
これはヒートショックというサウナと水風呂によって大きな寒暖差が生まれることで血圧の乱高下が生じ、心臓に負担がかかるという症状です。
利点も多いけど、注意点もしっかり守ろう
「冷えは万病の元」という言葉があります。
逆に身体を温めること、血流を良くすることは良いことばかりです。
アスリートとして日々の厳しいトレーニングで溜まってしまう疲労を抜くためにもサウナを時々有効活用してみましょう。
ただしそこには注意点もいくつかあり、最悪の場合は死に至ってしまいますのでしっかりと注意点は守りましょう。
著者プロフィール
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自身の元競泳選手の経験や、「アスリートは体の痛いところを治せば良いわけではない」という考えから、
競技中(日常生活)の痛みの改善
「この部位に力を入れられない」といった身体の悩みの改善
通常時、痛み時のトレーニング
日頃のメンテナンス
など、より良いパフォーマンスにつなげるための、治療、指導を行っております。
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