ストレッチの間違った認識と正しいストレッチを行う上でのポイント

恵比寿でプロ・アマアスリートの方に向けた鍼灸治療院を開いている今野です。

自身の元競泳選手の経験や、「アスリートは体の痛いところを治せば良いわけではない」という考えから、

  • 競技中(日常生活)の痛みの改善
  • 「この部位に力を入れられない」といった身体の悩みの改善
  • 通常時、痛み時のトレーニング
  • 日頃のメンテナンス

など、より良いパフォーマンスにつなげるための、治療、指導を行っております。

学校の体育の授業でさえストレッチをやっているくらいなので、運動をしている人でストレッチをした事がないなんて人はいないと思います。
しかし、果たして僕らはストレッチというものを正しく理解してるのでしょうか?

  • なんとなく過去の習慣を続けている…
  • とにかくストレッチが体に良い!と刷り込まれている…
  • 痛いくらい伸ばした方が効果的…
  • 筋肉痛にも効果がある…
  • 柔軟性をあげた方が怪我をしにくい…

という認識だったりしませんか?

どのジャンルでもそうかもしれませんが、10年前の常識が今も常識というわけではありません。

これは、ストレッチも同様です。

そこで、今回は、

  • 多くの方が持っている、ストレッチに関する間違った認識
  • 正しいストレッチを行う上でのポイント

をご紹介します。

是非1度、過去に得た知識を一旦捨て、今言われている最新のストレッチ情報をここで仕入れ、日頃のセルフケアに活かしましょう。

多くの方が持っている、ストレッチに関する間違った認識

実は、バレエやフィギュアスケートのように柔軟性が求められる特定のスポーツを除いて、柔軟性を強く求める必要はありません。
それどころが、柔軟性を高めるとそれだけ関節の固定力が失われます。そのため、怪我に繋がりかねません。

そのため、バレエやフィギュアスケートのように柔軟性が求められる特定のスポーツを除いて、強いストレッチをする「必要はない」どころか「すべきではない」んです。

柔軟性を高めるとそれだけ関節の固定力が失われます。

  • ジョギング時の足首
  • コンタクトスポーツの膝、肘、肩

など、こういった箇所で捻挫に繋がってしまいます。

よく「体が硬いから」と聞きますが、硬いことで動きに支障が出るなら、「その硬さがどこからきているのか?」をまず見極めることが必要になります。

筋肉ならばその筋肉を緩めることでも柔軟性を高めることができます。

もちろん、もともとの柔軟性が低いのであれば、ある程度はストレッチで高めても大丈夫です。
しかし、「あなたが行うスポーツの特定の動きができない」というわけでないなら、過度に気にする必要はありません。

「硬いのがダメなんだ」という過去の間違った知識を思い込んでいるだけです。

では具体的にどういったやり方が間違っているのか、一つ一つみていきましょう。

反動をつけてグイッグイッと行う。

昔から、前屈など反動をつけてグイッグイッとやるストレッチを体育の授業などでも行ってきたかと思います。
しかし、この反動をつけてグイッグイッと行うのは厳禁です。

その都度、腱に負担がかかってしまいます。

運動をする前のストレッチ

実は、運動をする前にストレッチするのもNGです。

20歳代ならまだしも30歳以上の人は、運動前に体が暖まっていないのにストレッチをすることで腱に負担がかかります。
ストレッチをするのでしたら、ウォーミングアップの後、軽く汗をかいている時と運動後にしましょう。

「痛い」と感じるほど、強いストレッチ

ご自身が痛いと感じるほど強くストレッチをする必要もありません。
痛いと感じている時間中ずっと腱に負担がきています。

正しいストレッチを行う上でのポイント

  • 新しい輪ゴムを元の長さの1.5倍に伸ばす
  • 真ん中で一回結んだ、新しい輪ゴムを1.5倍に伸ばす

同じ、1.5倍に伸ばすのですが、大きな違いが出てきますよね?

前者の輪ゴムに関しては、全体を通して1.5倍に伸びるかと思います。
しかし、後者の輪ゴムは結んだ部分は伸縮しないため、それ以外の部分が余計に伸びないといけません。

もし、運動によって凄く硬い部分があるとしたら、その硬い部分は、上記例の結び目になります。
そして、本当に伸ばさなければいけない、堅い結び目に関しては伸びておらず、その周りの伸ばす必要の無い筋肉を無理やり伸ばしている形になります。

そのようなストレッチでは全く不充分。前述した通り怪我の発生原因になりかねません。
特に、「負荷の強い運動をした時ほど、負荷を強くしたストレッチをしている」という場合には、上記現象が当てはまっている可能性が非常に高くなります。

そのため、ストレッチをする際には、以下の4点を気をつけて行って下さい。

  • 柔軟性を求める理由を明確にすること。
  • いたずらに柔軟性を高めようとしない。怪我に繋がります。
  • 反動をつけずに、長い時間をかけて筋肉を伸ばしてあげる。
  • 運動前はやらずにウォーミングアップ後か運動後に行う。

また、ストレッチの時間に関しては、

  • 筋肉の疲労回復であれば20〜60秒
  • 自律神経系へのアプローチによりリラクゼーション効果を期待したいなら最低60秒
  • 20秒未満のストレッチは効果がない

という研究結果が出てますのでご自身の状況や目的にあわせて、時間を決めて行って下さい。

必要な知識とメンテナンスを

僕がアメリカにいたのは約15年前ですが、その頃既にスイミングチームでは

  1. ウォーミングアップ
  2. ストレッチ
  3. 本格的な練習

といった順で練習を行っていました。
また、授業でも「ストレッチで柔軟性をあげることは怪我に繋がりやすい」と説明してました。

しかし日本では、まだまだストレッチ神話がよく見られます。

もちろん、人種による体の作りの違い、メジャーなスポーツの違いがあるので「一概にアメリカで行われていることを日本も全て取り入れるべき。」というわけではありません。

しかし、日本のストレッチ神話はあまりにも時代遅れなのが現実です。

そのため、まずはちゃんとした知識を身に着ける。自分の身体、スポーツ、必要な柔軟性を把握する。
そして、怪我が無いように。また、怪我をしてしまっても治しながら鍛え、成果に結び付けられるように身体のメンテナンスを行って下さい。

著者プロフィール

今野 弘章
今野 弘章
自身の元競泳選手の経験や、「アスリートは体の痛いところを治せば良いわけではない」という考えから、

競技中(日常生活)の痛みの改善
「この部位に力を入れられない」といった身体の悩みの改善
通常時、痛み時のトレーニング
日頃のメンテナンス

など、より良いパフォーマンスにつなげるための、治療、指導を行っております。