マラソンランナー、トライアスリートの膝の痛みに対するセルフケアとトレーニング(ハムストリング)

高輪で鍼灸治療院を開いている今野です。

自身が元競泳選手ということもあり、アスリート専門の治療院となっております。

一般的な治療院との違いは、痛みを治すことや硬い部位を緩めるだけではなく、「特定の部位に力が入っていない」ことや「可動域が狭い」あるいは「自覚していない骨格の歪みや筋力不足」などを改善してパフォーマンスアップに繋げることをゴールにしている点です。

今野鍼灸治療院では治療のその先を常にイメージしながら、アスリートの自己実現をサポートしていきます。

普段運動している方の中で特に走る動作が大部分を占めている種目の場合、膝の痛みを経験した方は多いのではないでしょうか。

痛みが出たということは、

  • 今持っている筋肉量以上の運動をしているので体が運動量についていけてない
  • ケアが足りない

と主に2つの理由が考えられます。

そこで今回は、膝の裏側に出てしまった際に行うべきトレーニングとセルフケアをご紹介します。

適切なトレーニングとケアを行い、行っているスポーツを怪我なく症状もない状態で続けていきましょう。

原因となる筋肉

「膝の裏」と言っても、内側なのか外側なのかだけでも、一番大きな原因を作っている筋肉は変わってきます。

また、同じ「内側」の膝の裏でも、ハムストリングス(裏もも)が一番の原因なのか、前脛骨筋(すねの骨の外側)が一番の原因なのかなど、人によってそれぞれ異なっています。

例えば、

  • 同じ種目としてトライアスロン
  • 同じ性として女性
  • 同じくらいの年齢で20歳代前半

という2人のトライアスリートであっても一番の原因というのは同じではありません。

これは筋肉の付き方や体の使い方が異なるので当然と言えば当然です。

原因の特定に関しては、施術者ではない方がご自身でその原因を見つけるというのは非常に難しいと思います。

そのため、通っている治療院で「一番の原因を作っている筋肉はなにか?」と聞いてみてください。

僕が施術をしていて感じるのは、一番の原因は色々ではあるものの、共通して原因となっているのはハムストリングスです。

「ハムストリングスに負担が来る」=「正しい走り方ができている」という証拠です。
あとは、その運動量に耐えられる筋肉を作り上げることが必要になってきます。

  • それまであまり運動を行っていなかった
  • 30~40歳代からスポーツを始めた

といった、アマチュアアスリートの場合は、ハムストリングスの筋力は足りていないことがほとんどだと思います。

それまでの人生において

  • 特にハムストリングスを鍛えてきたわけじゃない
  • 階段はあまり使わない
  • 歩く時に大股では歩かない

という方は、ハムストリングスがあまり発達していないまま成人になっています。
そして、加齢と共に筋力は低下していったところからスポーツを始めることになります。

この場合は今行っている種目を続けるだけでハムストリングスが充分に鍛えられるわけではありませんので、是非ハムストリングス単体のトレーニングをルーティンに組み込んでください。

ハムストリングスのトレーニング

ではトレーニング内容を説明していきます。

レベルは4段階ありますので、ご自身の筋肉に合ったレベルで行いましょう。

正しく実践いただけるよう、動画もご用意しています。
是非、動画を見ながら実践してみてください。

  • レベル1
    1. 仰向けで寝て、おおよそ90度になるよう両膝を立てる
    2. お尻を上げる
  • レベル2
    1. 仰向けで寝て、おおよそ120度になるよう両膝を立てる
    2. お尻を上げる
  • レベル3
    1. 仰向けで寝て、おおよそ90度になるよう片方の膝を立てる
    2. 反対の足は伸ばしておく
    3. お尻と伸ばしている足を上げる
    4. 伸ばしている足は両膝が揃うくらいまで上げる
  • レベル4
    1. 仰向けで寝て、おおよそ120度になるよう片方の膝を立てる
    2. 反対の足は伸ばしておく
    3. お尻と伸ばしている足を上げる
    4. 伸ばしている足は両膝が揃うくらいまで上げる

このくらいの運動強度であれば毎日行っても大丈夫ですので、

  • 毎日行うなら10回×1セット
  • 週3日にわけるなら10回×3セット

くらいが適切だと思います。

どのレベルを行うのかは10回やってみた結果、裏ももが攣らないなら次のレベルを行ってみましょう。

一回一回お尻を上げた後に床にお尻をつけずに浮かせた状態でまた上げるとさらに負荷が強まるので、レベル3はやれたけど4だと攣るならこういった工夫をしてみるのもいいと思います。

実施時の注意事項

実施する際には、以下にご注意ください。

  • できるだけ膝から肩までが一直線になるまで上げる
  • 勢いをつけずにゆっくりと行う
  • 裏ももに意識を集中して行う
  • 裏ももが攣りそうになったらすぐにやめる

ハムストリングスのセルフケア

僕は個人的にセルフケアというのは限界があると思っていますので、痛みが強い場合はまず治療院等に通ってある程度症状を落ち着かせることが何よりも先決だと思います。

その上で、ご自身でもできるセルフケアをご紹介致します。

ストレッチ

落ち着き次第行えるセルフケアとしてはストレッチがまず挙げられます。

ストレッチ時のポイント

ハムストリングスのストレッチは立位でも座位でも行えますが、ポイントは膝にあります。

膝を伸ばした状態でストレッチを行うとハムストリングスも伸びますがふくらはぎも伸びます。

これは、ふくらはぎのケアも入るので、ハムストリングスを重点的に伸ばしたい場合は膝を軽く曲げるとよりハムストリングスだけを伸ばせます。

ストレッチ時の注意点

ストレッチを行う際には、以下点にご注意ください。

  • 練習直後の体がまだ暖まっている時のみ行う
  • 反動をつけない
  • 痛みを感じるほど強くやらず、やっても痛気持ちいい程度に抑える
  • 60~90秒くらいは最低でも伸ばす

詳しくはストレッチについて書いた記事を参考にしてください
https://konno-chiryo.com/stretch-point/

その他セルフケア

他には、フォームローラーのようなマッサージグッズが色々ありますので、それらを試してみるといいと思います。

ただデメリットとしては練習する場になかなか持って行きづらいという点もあります。

その場合はご自宅で使うことがほとんどだと思いますが、ストレッチ同様、極力体が暖まっている状態の時に行ってください。

膝裏の痛みにハムストリングスはほぼ100%絡んでくる

膝の裏に症状が出たということは、大なり小なりハムストリングスが絡んでくることがほとんどだと思います。

万が一、ハムストリングスに一切原因がなくてもケアをして損をすることはありませんし、このくらいの強度のトレーニングを行うことで他の筋肉とのアンバランスさが出ることはありません。

また、ハムストリングスは走る動作が入るスポーツにおいては最重要筋肉のひとつだと認識してください。

症状が出てしまった場合は体と向き合うきっかけにして、トレーニングとケアを取り入れて思う存分スポーツを行えるよう繋げていきましょう。

著者プロフィール

今野 弘章
今野 弘章
自身の元競泳選手の経験や、「アスリートは体の痛いところを治せば良いわけではない」という考えから、

競技中(日常生活)の痛みの改善
「この部位に力を入れられない」といった身体の悩みの改善
通常時、痛み時のトレーニング
日頃のメンテナンス

など、より良いパフォーマンスにつなげるための、治療、指導を行っております。

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