陸上スポーツのアスリートには必須。臀筋の基礎知識とトレーニング

恵比寿で鍼灸治療院を開いている今野です。

自身が元競泳選手ということもあり、アスリート専門の治療院となっております。

アスリートは体の痛いところを治せばいいというわけではなく、「この部位に力を入れられない」というのも治していかなければより良いパフォーマンスには繋がっていきません。当院ではそういった部位も治していきます。

陸上で行うスポーツを行っているアスリートの身体を触ると、臀部が非常に硬い方が多くなっています。

なぜなら、歩く、走るなど足を動かす際には、臀筋を使い足を動かしています。
そのため、陸上のアスリートの場合には頻度や負荷も高く、硬くなってしまいます。

そしてアスリートの場合には特に「日々のトレーニングに耐えられるだけの筋力があるのかどうか」には気をつけなければいけません。

また、臀筋は立ち仕事やデスクワークの方にとっても重要な筋肉になります。

立ち仕事の場合には臀筋がしっかりしていることで立ち仕事の疲労が軽減したり、片側に重心がよってしまうことで起こる骨盤の歪みをある程度防いでくれます。

デスクワークの場合は座っていると臀筋が硬くなって腰痛に繋がったりもしますので、適度な負荷で適切な鍛え方をすることで血流が良くなりセルフケアに繋がります。

以上のように、アスリートではなくても臀筋を鍛えることが大切なので、ここでは臀筋の基礎的な知識と自分で出来るトレーニングについてご紹介したいと思います。

臀筋についての基礎知識

まず臀筋は以下の3つあります。

  • 大臀筋
  • 中臀筋
  • 小臀筋

漢字から分かる通り、大きさが異なりますし、場所も若干異なって重なり合うようになっています。(※1)

臀筋の作用としては足を背面に動かしたり(解剖学的には股関節の伸展と言います)、外側に捻る動作(股関節の外旋と言います)が主です。(※2)

※1 その他にも臀部にある筋肉は非常に多いですが、ここでは細かな解剖学的なことは長くなりすぎてしまうので割愛させて頂いています。
※2 この他にも様々な動作に関与していますが、詳細な内容は割愛させて頂いています。

鍛えた時のメリットとしては

  • スプリント力やジャンプ力の強化向上
  • 方向転換時のブレーキ
  • 投球動作や腰を落とした時の安定性の向上
  • 基礎代謝の向上
  • 腰痛の改善(※3)

などが挙げられます。

※3 腰痛に関しては、全ての腰痛患者様の一番の原因が臀筋というわけではありません。
しかし共通した原因のひとつとして挙げられる部位になります。

逆に衰えていくと上記に挙げたことの逆のことが起きてきます。
また、それ以外にも、

  • 円背姿勢、猫背になりやすい
  • 股関節の痛みに繋がってしまう

ということが挙げられます。

土台としての臀筋

人間が立っている時の物体としての土台は立っている姿勢を見て分かる通り足、特に足首から下の足部になります。

では動きの土台とはどこになるのでしょうか。

いつでも足部にあるのかというと、むしろそんなことはありません。

歩いたり走ったりする時に動くのは足であり、その土台になっている一番の筋肉は臀筋になります。

土台としての臀筋がしっかりしていないと、動いてもらう足はブレてしまいます。

木と身体で例えてみましょう。

膝を上げる動作で言えば、

根っこ→臀筋
幹→腸腰筋
枝→足

地面を蹴って走る動作で言えば、

根っこ→臀筋
幹→ハムストリングス
枝→足

このようになります。

臀筋とどこかの筋肉を組み合わせて様々な動きに繋がります。

腸腰筋やハムストリングスだけ鍛えるというのは、木で言うと根っこがあまり広がっていないのに幹だけ太い木となりますが、自然界ではそのようなアンバランスな木はきっと存在しませんよね。

根っこが広がるからこそ幹も大きくなるわけです。

人間の身体も同様に臀筋も鍛えてこそ腸腰筋の強さも生きてきます。

是非しっかりと鍛えていきましょう。

臀筋のトレーニング例

実際のトレーニング例をいくつか挙げます。

あえて今回はスクワットを入れませんでした。

  • アスリートではない方が腰痛改善目的で行う場合
  • トレーナーがいてチーム等でしっかりと筋肉トレーニングを行っているわけではない、アマチュアアスリート

が臀筋をしっかりと鍛えたいレベルの負荷でスクワットをやると、膝にかかる負担が強く、痛めてしまう可能性のほうが大きいからです。

自重トレーニング

2つの例を紹介します。

正しく実践いただけるよう、動画もご用意しています。
是非、動画を見ながら実践してみてください。

トレーニング例1

  1. 床によつんばいになる
  2. 手ではなく肘をつく
  3. 片足を伸ばし、天井方向へ上げる

その時に少しだけ足全体を外側にひねった状態で上げるとより臀筋への刺激になる

トレーニング例2

  1. 床によつんばいになる
  2. 片方の膝を外側に開き、それから後ろへ移動させ、最初の位置へ戻す

共通した注意点

  • なるべくゆっくりやる。
  • 常に鍛えている臀筋に意識を向ける。

特に腰に痛みを感じる場合はやめて、治療院に相談してください。

動かす方の足や膝を浮かせた状態で行うと負荷が高まるので、ご自身で調整して行いましょう。

回数とセット数

このくらいの負荷であれば毎日行っても構いません。

毎日なら10回を1セット。
週3日行う場合は10回を3セットくらい行えると理想的です。

チューブトレーニング

続いてチューブを使用したトレーニングです。

自重では楽だという方はチューブを使った方が負荷が強まるのでおすすめです。

2つの例を紹介します。

正しく実践いただけるよう、動画もご用意しています。
是非、動画を見ながら実践してみてください。

トレーニング例1

  1. 立った状態で足首にチューブを固定し、反対のチューブはテーブルの足等に固定する
  2. まっすぐ後ろに下げる

その時に少しだけ足全体を外側にひねった状態で上げるとより臀筋への刺激になります。

トレーニング例2

  1. 輪っか状のチューブを足首に固定する
  2. 少しだけ腰を落とした状態で横歩きをする

共通した注意点

  • チューブがたわまないようにする。
  • 勢いをつけない。
  • 常に鍛えている臀筋に意識を向ける。

鍛えている部位以外が痛くなったらすぐに辞めるようにしましょう。

回数とセット数

このくらいの負荷であれば毎日行っても構いません。

毎日なら10回を1セット。
週3日行う場合は10回を3セットくらい行えると理想的です。

チューブトレーニング②の場合は個人差が大きいと思いますし、行うスペースにもよるのでやれる限りやってもう無理!というところまでやってみるのが良いです。

陸上のアスリートは必須。立ち仕事やデスクワークの方も鍛えておくと良い臀筋

臀筋はアスリートでもアスリートじゃなくても、20歳でも80歳でも、デスクワークでも立ち仕事でも、誰でも何歳でも鍛えるべき筋肉です。

ダイエット、姿勢、腰痛等の症状、アスリートのパフォーマンス、アンチエイジングなど、様々な視点から見ても間違いなく臀筋は鍛えておく必要があります。

マシンを使わなくてもご自宅で気軽に鍛えられますので、是非鍛えていきましょう。

著者プロフィール

今野 弘章
今野 弘章
自身の元競泳選手の経験や、「アスリートは体の痛いところを治せば良いわけではない」という考えから、

競技中(日常生活)の痛みの改善
「この部位に力を入れられない」といった身体の悩みの改善
通常時、痛み時のトレーニング
日頃のメンテナンス

など、より良いパフォーマンスにつなげるための、治療、指導を行っております。

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