高輪で鍼灸治療院を開いている今野です。
自身が元競泳選手ということもあり、アスリート専門の治療院となっております。
一般的な治療院との違いは、痛みを治すことや硬い部位を緩めるだけではなく、「特定の部位に力が入っていない」ことや「可動域が狭い」あるいは「自覚していない骨格の歪みや筋力不足」などを改善してパフォーマンスアップに繋げることをゴールにしている点です。
今野鍼灸治療院では治療のその先を常にイメージしながら、アスリートの自己実現をサポートしていきます。
トライアスリート、ランナーやダンサー、舞台劇団員など、股関節前面の痛みに悩まされる方々は多いです。
股関節を曲げる動作(膝を胸に近づける動作)が多いためですが、これを克服するにはしっかりとしたケアとその動作に負けない筋力をつけることです。
今回は股関節に悩まされた場合にやるべきことを順序立ててお伝えしていきたいと思います。
目次
セルフケアで対処できるレベルかどうかの確認
日々のセルフケアで痛みが改善していくなら症状としては軽いので、是非そのセルフケアを続けていきましょう。
股関節の痛みに関係している筋肉の代表例は腸腰筋(大腰筋と腸骨筋をあわせてそう呼びます)、大腿四頭筋、恥骨筋、大腿筋膜張筋、内転筋群、薄筋、縫工筋が挙げられます。
主に骨盤付近の前側についている筋肉です。
しかし「痛みが前側にあるからといって、後ろ側の筋肉が関係ない」というわけではありません。
むしろ大臀筋や中臀筋といった臀部の筋肉はかなり関係しています。
少し股関節から離れているハムストリングスや腹直筋も関係していることが多いです。
症状を作っている原因は人によって様々なので、これを読んでくださっている貴方・貴女の原因がどの筋肉なのかはわかりません。
ですが、少なくとも上記の筋肉はトレーニング・入浴直後の体が暖まっている時に限定してストレッチを行いセルフケアをしていきましょう。
ストレッチにおける注意点などは、以下の記事を参考にしてください。
https://konno-chiryo.com/stretch-point/
セルフケアでは改善しない場合
まず整形外科に行きましょう。
レントゲン上で股関節に異常があるのかどうかを一度確認しておくことでご自身も治療院の施術者も安心できます。
施術者としてはそれがわからないまま施術するのと、レントゲン上は異常がないと太鼓判を押された状態で施術するのとではかなり違ってきます。
レントゲン上で異常はないけど痛い場合は主に筋肉、腱が原因で症状を作っていますので治療院の出番です。
この場合は治療院の施術で症状が改善する可能性が大きいです。
通っている治療院に相談するか、通える治療院を探しましょう。
また、この段階(セフルケアでは改善しない段階)で放置しておくと症状は悪化することが多いです。
重症化すると症状が改善するまでに時間を要しますし、関節や骨に負担がいきすぎて骨や股関節そのものに症状がうつると整形外科の出番になってしまい、手術にも繋がってしまいます。
そうならないために早い段階で対処しましょう。
股関節の痛みを予防・改善するための筋トレ
股関節の症状を作り出してしまう筋肉はいくつかありますが、何よりも1番鍛えるべき筋肉は腸腰筋です。
女子短距離選手の福島千里選手がレッドコードを使って腸腰筋を鍛えているのを見た事がある人には伝わりやすいのですが、1番腸腰筋を鍛えられるのはレッドコードだと個人的には思います。
ただ残念ながらレッドコードを置いているフィットネスクラブはそう多くはないようです。
そのため、ここでは自重トレーニング、バンドを使ったトレーニング、バランスボールを使ったトレーニングをご紹介します。
是非ご自身のレベルにあったトレーニングを選んで腸腰筋を中心に体幹部の筋肉を鍛えて股関節の悩みとお別れしましょう。
自重トレーニング
正しく実践いただけるよう、動画もご用意しています。
是非、動画を見ながら実践してみてください。
- 自重トレーニング1 プランク
肩の真下に肘がくるようにして肘と爪先だけが床についている状態にし、頭からかかとまで一直線になるようにキープします。 - 自重トレーニング2 プランク+ニータック
- 腕立てを始めるポジションになります。
- 両手は肩の真下に置き、頭からかかとまで一直線になるようにキープします。
- ゆっくりと片膝ずつお腹に近づけます。
時間はアスリートは2分間は維持できるよう頑張りましょう。
このトレーニングの強度としてはそこまで強くないので、勿論レベルにはよりますが例えば2分間を毎日行っても大丈夫な強度です。
バンドトレーニング
正しく実践いただけるよう、動画もご用意しています。
是非、動画を見ながら実践してみてください。
輪っか状のバンド・チューブを用意します。
立った状態でも仰向けの状態でも行えます。
- つま先にバンドをかけて、ゆっくりと片膝ずつお腹に近づけます。
- 必ず膝が股関節よりも上にくるまで膝を頑張って上げましょう。
回数はバンドの強度にもよるので一概に言えませんが、10回は最低でも行える程度のバンドの強度がいいと思います。
アスリートのレベルにもよりますが、20回×3セット、週に2~3回くらいは行えると理想です。
バランスボール
正しく実践いただけるよう、動画もご用意しています。
是非、動画を見ながら実践してみてください。
- 両手を床についてバランスボールに両足をのっけます。
- 膝を胸に近づけます。
- 片足をバランスボールにのっけます。
- 反対の足は体が一直線になるよう真っ直ぐに浮かせておきます。
- バランスボールにのっている方の膝を胸に近づけます。
回数は最初は10回から行ってみてください。
最終的には30回×3セットくらいを週に2~3回行えるといいと思います。
強度でいうと自重トレーニング→バンド→バランスボール両足→バランスボール片足となります。
痛みがまだ強い場合は強度の低いトレーニングから行ってください。
また、通っている治療院の施術者としっかりと相談しながらトレーニングを積んでいってください。
バランスボールを利用したトレーニングにおける注意点
膝がバランスボールの上にくるよう位置を調整してください。
お腹から股関節にかけて鍛えている筋肉を意識して集中しましょう。
例えばランナー、ジャンプ動作が入るスポーツ、ダンサーなど足を素早く上げる必要のある方は、その動作に限りなく近い動作でトレーニングを行うべきなので、なるべく速く足を動かしましょう。
諦めずに続けることが改善に繋がる
- まずはセルフケアで対処できるレベルなのかどうか。
- 対処できないならレントゲン上の異常を確認。
- その後、治療院でまずは痛みを取ることに専念し、同時に腸腰筋を少しずつ鍛えていく。
- 痛みが引き始めたら徐々にトレーニングの強度を増していく。
この流れで股関節の痛みは改善していきます。
ご自身が行っているスポーツを続けている以上は腸腰筋の強化・維持をしないと再発する可能性が大きくなってしまうので、痛みが改善しても腸腰筋のトレーニングは是非継続してください。
諦めずに頑張って悩みとお別れしましょう。
著者プロフィール
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自身の元競泳選手の経験や、「アスリートは体の痛いところを治せば良いわけではない」という考えから、
競技中(日常生活)の痛みの改善
「この部位に力を入れられない」といった身体の悩みの改善
通常時、痛み時のトレーニング
日頃のメンテナンス
など、より良いパフォーマンスにつなげるための、治療、指導を行っております。
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