アルコールがアスリートに及ぼすダメージとその対策

高輪で鍼灸治療院を開いている今野です。

自身が元競泳選手ということもあり、アスリート専門の治療院となっております。

一般的な治療院との違いは、痛みを治すことや硬い部位を緩めるだけではなく、「特定の部位に力が入っていない」ことや「可動域が狭い」あるいは「自覚していない骨格の歪みや筋力不足」などを改善してパフォーマンスアップに繋げることをゴールにしている点です。

今野鍼灸治療院では治療のその先を常にイメージしながら、アスリートの自己実現をサポートしていきます。

「このお酒のために頑張っている!」

と言って日々のトレーニングやマラソン大会に出場する社会人アスリートの患者様は多いです。

アスリートでなくても成人が飲酒をするのは自由ですし、モチベーションに繋がるなら良いのですが、お酒が身体にどういったダメージを及ぼすか正確にご存知でしょうか。

そこで今回はアルコールがもたらすダメージについての注意点を詳しく書いていきます。
アルコールによる影響の知識・情報を理解し、対策を講じた上で運動もお酒も楽しんでください。

なお、この記事は管理栄養士の監修の元書いております。

アルコールによる影響

アルコールがアスリートに及ぼすダメージには、大きく以下の4種類があります。

  • 筋肉が減る
  • 太りやすくなる
  • 利尿作用と脱水症状
  • アルコールによるむくみ

それぞれ、詳細にご説明します。

影響1:筋肉が減る

お酒を飲むことで肝機能が低下します。

肝機能が低下すると、身体に送る栄養の量が減ります。

供給が減ることで、身体を維持するだけの栄養が足りなくなり、今ある筋肉を分解して補おうとします。

アスリートにとって筋肉を減らすことは体重を減らしたい時以外にメリットはありませんので、注意が必要です。

影響2:太りやすくなる

筋肉が減ると基礎代謝が落ちるので、その分太りやすくなります。

さらにアルコールを分解するために肝機能が低下し、その結果脂質代謝も落ちます。

脂質代謝が落ちるということは、その分脂肪を身体に溜め込んでしまうということなので、太りやすくなります。

また、アルコールと直接関係はありませんが、 食事、つまみ、デザートの食べ過ぎによりオーバーカロリーになりやすいです。

影響3:利尿作用と脱水症状

アルコールには利尿作用があります。

詳しく言うと抗利尿ホルモン(利尿作用を抑えるホルモン)を阻害することで利尿作用が進みます。

この作用により思っている以上に水分を失っている可能性があります。

例えばビールでの実験では、ビールを1リットル飲んだ場合、1.1リットルの水分が失われるので、100ミリリットルの水を飲んでプラスマイナスゼロになるようです。

但しこれは個人差もありますし、お酒の席ではビールだけではなくつまみもあるので、実際には100ミリリットルでは足りないことが考えられます。

利尿作用があるということは、夜間に尿意で起きてしまうことも増えます。
そうすると睡眠の質も下がるので、回復力もその分低下します。

また、アルコールを代謝・分解していくと最終的には二酸化炭素と水になり、水は尿として体外へ排出されますが、その代謝・分解の過程にも水が必要になります。

つまり、お酒を飲んで水分を摂らなかった場合、アルコールを代謝・分解するための水分は体内にある水分を使うことになるので、飲めば飲むほど尿としても代謝としても使われるため、脱水症状が助長されるわけです。

そして脱水症状のまま翌日を迎えると二日酔いの症状として頭痛が起きることにもなります。

影響4:アルコールによるむくみ

アルコールには血管を拡張する作用があります。

血管というのは、漏れたら困る住宅の排水管のような構造ではなく、むしろ水分や栄養が行き来しやすいような構造になっています。

よって、セーターを広げると隙間が見えるようになるのと同じで、血管が拡がるとその隙間から水分が外に漏れ出やすくなります。

高くなった血液中のアルコール濃度を下げるために身体が細胞から水分を血管に集めてくれます。

集まった水分の一部が血管の外へ漏れ出すことがむくみの要因ということになります。

運動もお酒も楽しむための対策

まずは何よりも飲みすぎないことです。

内臓に既に疾患を抱えている方、血液検査で要注意を受けている方ほど気をつける必要があります。

血液検査で要注意を受けている方は多くても最初の一杯、出来れば一口だけで済ませて欲しいです。
あとはソフトドリンク、お茶、水で仲間との時間を楽しんでください。

特にそういった心配の必要ない方は「お酒を一杯飲んだら水を一杯飲む」というルールを設け、全員でルールを守って、指摘し合って楽しんで欲しいです。

また、出来ればつまみの内容にも注意を向け、なるべく塩分の濃くない料理を選んで欲しいです。

寝る時間も考え、その2~3時間前までに飲酒は終わらせましょう。

体内のアルコールが少しでも代謝されるためにも、夜間に尿意で起きないためにも、なるべく早くアルコール摂取と水分摂取を終わらせておきたいところです。

目に見えない負担にも目を向ける

体内で何が起きているのか見えない分、「このくらい大丈夫」と感覚で判断してしまいがちです。
同時に、アルコールが体内にとって強い負担になっていることに気づかないことも多いです。

その負担に気づかないまま中長期的に飲酒を続けた場合、身体を壊すリスクに繋がり、せっかく続けているトレーニングが出来なくなってしまう、ということも考えられ、それはとても残念なことです。

お酒に強い方、飲みたい方は是非お酒を飲んだら水も飲むというルールを守って、健康に気をつけて楽しんでください。

著者プロフィール

今野 弘章
今野 弘章
自身の元競泳選手の経験や、「アスリートは体の痛いところを治せば良いわけではない」という考えから、

競技中(日常生活)の痛みの改善
「この部位に力を入れられない」といった身体の悩みの改善
通常時、痛み時のトレーニング
日頃のメンテナンス

など、より良いパフォーマンスにつなげるための、治療、指導を行っております。

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