治療院での施術頻度の目安

高輪で鍼灸治療院を開いている今野です。

自身が元競泳選手ということもあり、アスリート専門の治療院となっております。

一般的な治療院との違いは、痛みを治すことや硬い部位を緩めるだけではなく、「特定の部位に力が入っていない」ことや「可動域が狭い」あるいは「自覚していない骨格の歪みや筋力不足」などを改善してパフォーマンスアップに繋げることをゴールにしている点です。

今野鍼灸治療院では治療のその先を常にイメージしながら、アスリートの自己実現をサポートしていきます。

アスリートや運動を趣味にしている方々から「治療院にはどのくらいの頻度で通えばいいか?」というご質問を受けます。
それに対する回答としては「個人による」「症状の有無、その度合による」「トレーニングの質と頻度による」「ご自身のゴールによる」という観点から、一概には言えません。

そのため、今回は症状や練習頻度から目安をお伝えしていきます。
ご自身に当てはまる頻度ではなかったとしても、近いものがあればそれを参考にしてご自身の理想な施術頻度を見つけていきましょう。

※本記事に関しては、当院に通院して下さっている患者さまの症状やトレーニング時間を元にしており、「必ずしもこうだ」という話ではありません。
そのため、参考として頂き、実際の通う頻度に関しては、現在通っている治療院の先生と話をし、決めるようにしてください。

症状との兼ね合いで通う頻度を決める

今現在なにかしらの症状がある人にとっては、その症状を改善していく必要があります。
施術をしてある程度改善。しばらく行かないことでその症状が戻ってしまってからまた施術を受ける。
ということを繰り返していると、ずっとその症状と付き合うことになってしまいます。
改善させたいのであれば、症状が戻って仕舞う前に施術を重ねていく必要があります。

例えば、2週間に1度の施術で元に戻ってしまうような症状なのであれば、1週間から10日に1度の施術が必要になってきます。
施術で3歩進んだら、3歩戻り切る前にまた施術をしないといけません。

どんなに遅くても、トレーニングで2歩戻ってしまったくらいの時期に施術を受けて前進していきましょう。
キーワードは「3歩進んで、戻っても2歩まで」と覚えておきましょう。

トレーニング時間で通う頻度を決める

症状やその度合いとは関係なく、以下の様におおよそのトレーニング時間でも目安があります。
ただこれは当院に通院して下さっている患者さまのトレーニング時間を元にしていますので、「必ずしもこうだ」という話ではありません。
※以下の数値に関しては、セルフケアを行っている前提となります。

  • 週に1度~10時間のトレーニング : 月に1度
  • 週に10~20時間のトレーニング : 2週に1度
  • 週に20~30時間のトレーニング : 週に1度
  • 週に30時間以上のトレーニング : 週に1~2度

繰り返しますが、これはあくまでも目安であり、参考程度にして欲しい頻度です。
そもそも症状があるならばまずはそれを改善させるための施術頻度を優先すべきです。
加えて、種目やトレーニングの質・強度次第では頻度を変えて施術を受けた方がいい場合もあるので、臨機応変に考えておきましょう。

セルフケアを行っていない場合

前述した、「トレーニング時間に対する、治療院へ通う頻度」に関しては、セルフケアを行っている前提となります。
もしセルフケアをしていないなら、この回数✕1.5~2だと思っておいた方が良いです。

セルフケアの重要性

基本姿勢として、アスリート・運動選手・趣味で運動をしている人としてはセルフケアをしましょう。

自分の身体のことはまずは自分でケアをする。
そこから身体やトレーニングへの知識も深まり、身体の使い方にも繋がります。

ケアしきれない負担、疲労、症状に関しては身体のプロである治療院を頼りましょう。
歯磨きと同じです。毎日歯を磨き、それでも時に虫歯になってしまったらなるべく早めに歯医者へ行く。
それと同じように毎日セルフケアをし、何か異変を感じたらなるべく早く治療院へ行ってください。

セルフケアとして最初に浮かぶのはストレッチです。
誰でも手軽に、アイテムがなくても行えるセルフケアです。
ただ誰でも行えるからこそ、間違ったまま我流で行っている方が多いのも事実です。
我流でストレッチをしていると怪我に繋がりやすくなるケースもありますので、注意が必要です。

ストレッチに関しては詳しく書いた記事がありますので、そちらも参考にしてみてください。

「ストレッチの間違った認識と正しいストレッチを行う上でのポイント」
https://konno-chiryo.com/stretch-point/

治療院へ通う頻度の実例

当院においての実例を挙げていきます。

20代、女性、大学生、トライアスロン部所属

週に20時間以上のトレーニング
施術頻度は週に1~2度
学校や部活動、レースのスケジュール次第で頻度や症状の有無、その度合いが変わってきます。

40代、女性、立ち仕事

週に5回のジョギング
1回に走る距離は5kmまで(体調にもよる)
10kmのレースで60分切るような走力
施術頻度は3週に1度
立ち仕事ということもあり、ジョギングの疲労と仕事の負担を定期的にケアしています。

40代、男性、デスクワーク

週に2~3回のバスケットボール
1回は1~2時間の練習、時折試合もある
施術頻度は月に1~2度
仕事量(残業等)や練習時間によって施術頻度が変わりますが、デスクワークによる腰痛と肩こり、練習による下半身の疲労がメインです。

目的は怪我や症状がない状態でトレーニングをすること

以上が施術を受ける頻度の目安です。

目的は施術を受けることではなくて、「怪我や症状がない状態でトレーニングを継続できる身体作り」が目的なはずです。
そこに向けてトレーニングと同じくらい重要なのが施術というだけです。

トレーニングと施術はワンセットになりますので、トレーニングスケジュールに施術のスケジュールも組み込んでいくようにしましょう。

著者プロフィール

今野 弘章
今野 弘章
自身の元競泳選手の経験や、「アスリートは体の痛いところを治せば良いわけではない」という考えから、

競技中(日常生活)の痛みの改善
「この部位に力を入れられない」といった身体の悩みの改善
通常時、痛み時のトレーニング
日頃のメンテナンス

など、より良いパフォーマンスにつなげるための、治療、指導を行っております。

関連記事

  1. ランナーを悩ますシンスプリントの原因と対策、セルフケア

  2. 自律神経の乱れからくる春の眠気に対する対処方法

  3. 選手が怪我を回避するために日頃からコーチが行うべき3つの行動…

  4. アスリートが注意すべき、ぎっくり腰の原因

  5. セルフケアの限界と治療院で治療を受ける意味

  6. テーピング使用におけるメリット・デメリット