ランナーを悩ますシンスプリントの原因と対策、セルフケア

高輪で鍼灸治療院を開いている今野です。

自身が元競泳選手ということもあり、アスリート専門の治療院となっております。

一般的な治療院との違いは、痛みを治すことや硬い部位を緩めるだけではなく、「特定の部位に力が入っていない」ことや「可動域が狭い」あるいは「自覚していない骨格の歪みや筋力不足」などを改善してパフォーマンスアップに繋げることをゴールにしている点です。

今野鍼灸治療院では治療のその先を常にイメージしながら、アスリートの自己実現をサポートしていきます。

マラソンランナーやトライアスリート、バスケットやサッカーなど急ブレーキと方向転換が求められるスポーツ選手にしばしばみられる症状のひとつとしてシンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)というのがあります。

スネ(脛骨)の内側、足首から約5~10センチあたり上が痛むという症状です。

このシンスプリントの原因、治療、セルフケアについて書いていこうと思いますので、シンスプリントに悩んでいる方、走るトレーニングが多い方は予防のためにも是非読んでみてください。

因みにシンスプリントとはshin splintと英語表記します。
shinはスネ(脛骨)のことで、スプリントは短距離という意味のsprintではなく、splintと書き、「添え木、避けた一片」といった意味があります。

シンスプリントの原因

シンスプリントの日本語名「脛骨過労性骨膜炎」からもわかるように、

  • 脛骨→脛骨の内側
  • 過労性→オーバーユース、使いすぎ
  • 骨膜→骨膜
  • 炎→炎症

という状態です。

走る動作が多く(長く)なると、後脛骨筋や前脛骨筋という筋肉に負担がかかります。

筋肉に負担がかかるとその筋肉は硬くなり、その周囲の筋膜も硬くなり、さらに骨膜も引っ張られて硬くなります。

その際に、引っ張られても回復が追いついていれば炎症までいきませんが、回復量よりも負担のほうが大きい日々が続くと組織を壊しすぎて炎症に繋がってしまいます。

また、使いすぎ以外に、シンスプリントになりやすい背景として、

  • 扁平足
  • 柔軟性の欠如
  • 筋力不足
  • 硬い地面を走る
  • 靴が合っていない

といったことも挙げられます。

そのため、

  • 練習のしすぎで足底のアーチが落ちてしまっている人はケアをしてアーチを戻す必要がある
  • 元々扁平足の人は他のアスリートよりもシンスプリントになりやすい身体だということを理解し、一層対策を練る必要がある
  • トレーニングの強度に耐えられない筋肉量なのであれば、筋肉トレーニングをして筋肉増強をする必要がある
  • コンクリートの道ばかりで走らずに、時には芝生や山道でもトレーニングする必要がある
  • 靴は必ず合う靴を履く。理想はオーダーメイドのインソールを使う

ということを一度考えましょう。

シンスプリントに対する治療

これは当院での治療なので、あくまでも僕の考えによる治療内容です。

上記で後脛骨筋や前脛骨筋に負担がきていると書きましたが、負担が来ているのはそれらの筋肉だけではありません。

むしろ他の筋肉が弱く、トレーニングに耐えられていないので後脛骨筋や前脛骨筋にさらなる負担がかかっている、というのが正しく、より多くみられます。

ある一例ではありますが、当院に来院してくださっているトライアスリートでは

  • 足:大腿直筋、内転筋
  • 骨盤:大殿筋、大腿筋膜張筋
  • 体幹:腸腰筋、腹直筋
  • 首:前斜角筋

に反応(施術にあたり、確認作業をして目的とする筋肉が緩んだ)がありました。

これだけ多くの筋肉が、しかも患部とは離れている筋肉が原因となり、シンスプリントを起こしているわけです。

また、原因には、

  • 痛みを生じさせる直接的な原因
  • 直接的な原因を生じさせている、本当の原因

に分けることが出来ます。

上記例の場合ですと、以下の様に分けられます。

  • 本当の原因→大腿直筋、内転筋、大殿筋、大腿筋膜張筋、腸腰筋、腹直筋、前斜角筋
  • 直接的な原因→後脛骨筋、前脛骨筋
  • 症状→スネの内側の痛み

直接的な原因(後脛骨筋と前脛骨筋)を緩めることで、短期間においては症状が緩和されることと思います。

しかし、直接的な原因である、後脛骨筋や前脛骨筋といった膝から下にある筋肉ばかりをゆるめても、本当の原因であるそれらを引っ張っている筋肉を緩めない限りは、すぐに後脛骨筋や前脛骨筋がまた硬くなってしまい、いつまでも症状は改善しません。

だからこそ本当の原因を緩めつつ、直接的な原因(後脛骨筋と前脛骨筋)も緩めてあげることがとても大事なのです。

シンスプリントのセルフケア

シンスプリントの症状が出てしまったら必ず治療院に相談をして、まずは痛みを取ることを優先しましょう。

痛みを我慢してトレーニングを続けてもなかなか痛みが収まることはなく、数ヶ月から半年もの長期間悩まされることになってもおかしくありません。

治療院に通いつつご自身でやれることは、セルフストレッチやストレッチポール、フォームローラー等を使ってのケアと足底のアーチを鍛えることです。

アスリートはトレーニングによりどの部位に負担がきているのかご自身である程度把握できていると思いますので、少なくともそういった部位をストレッチしたり道具を使ってマッサージをしましょう。

もしかしたら「本当の原因」を全部網羅できないかもしれませんが、何もしないより絶対に良いです。

ストレッチに関してはトレーニング直後や入浴後の身体が暖まっているタイミングに限定して行ってください。

ストレッチに関してより詳しく書いた記事もありますので、そちらも参考にしてみてください。
https://konno-chiryo.com/stretch-point/

セルフケア例

足底のアーチを鍛えるのはタオルギャザーがおすすめです。

フェイスタオルを床に敷いて、足の指でそれを手繰り寄せていきます。

その後は足底をマッサージするのも良いです。

ただしあまりグリグリ押さずにジワーッと押すだけにしましょう。
痛いと感じるまでやるのはNGです。

強い痛いマッサージに関しても記事がありますので、参考までに読んでみてください。
https://konno-chiryo.com/tsuyoimassage/

シンスプリントにならないよう日々の努力を

これはシンスプリントだけではなく、炎症が起こるほどの症状や肉離れ、寝違え、ぎっくり腰など全てに当てはまることですが、何よりもトレーニングの強度を落とさざるを得ないほどの症状にはならないようにすることが非常に重要です。

それには日々行うセルフケアや、定期的に治療院へ通うというのが必要です。

特に足はトレーニング以外でも歩いている時間は全て筋肉への刺激(負担)になってますので、一度シンスプリントのような炎症が起きている症状が出てしまうとどうしても治るまで時間がかかります。

ただトレーニング時間が長いだけではなく、扁平足のように身体的な背景もあるシンスプリントですから、症状に悩まされる前に改めてご自身の身体やトレーニング内容に向き合って症状が出ないよう努力するよう心がけてください。

著者プロフィール

今野 弘章
今野 弘章
自身の元競泳選手の経験や、「アスリートは体の痛いところを治せば良いわけではない」という考えから、

競技中(日常生活)の痛みの改善
「この部位に力を入れられない」といった身体の悩みの改善
通常時、痛み時のトレーニング
日頃のメンテナンス

など、より良いパフォーマンスにつなげるための、治療、指導を行っております。

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