アスリートも知るべき、リラクゼーションと治療院の違い

高輪で鍼灸治療院を開いている今野です。

自身が元競泳選手ということもあり、アスリート専門の治療院となっております。

一般的な治療院との違いは、痛みを治すことや硬い部位を緩めるだけではなく、「特定の部位に力が入っていない」ことや「可動域が狭い」あるいは「自覚していない骨格の歪みや筋力不足」などを改善してパフォーマンスアップに繋げることをゴールにしている点です。

今野鍼灸治療院では治療のその先を常にイメージしながら、アスリートの自己実現をサポートしていきます。

先日当院にセミプロのアスリートが来院され、長く悩まれていた症状が改善されて大変喜んでいらっしゃいました。
詳しくその方に伺うと、今まではリラクゼーションに通われていたそうです。

この方のように患者さまの中にはリラクゼーションと治療院の違いがなんなのか正確にご存知ではない方も多くいらっしゃいますので、今回は両者の明確な違いを詳しく解説していきます。

日々運動されている方で今まで治療院には行ったことのない方、リラクゼーションしか行ったことのない方に読んで頂けたら嬉しいです。

※ここでいう治療院とは鍼灸治療院も含めますが、整体院は含めておりません。

リラクゼーションと治療院の違い1:目的

リラクゼーションはその名の通り、お客様をリラックスさせるのが目的です。
別の言い方をすれば癒しです。
施術内容は多少異なるものの、お客様のご要望の部位を重点的に施術していきます。
施術以外にも空間や匂い、雰囲気、音楽など、室内全てが癒し目的で設計されています。

治療院というのもその名の通り治療することが目的とする院なので、痛みや痺れといった筋肉的な症状や、頭痛、不眠、食欲不振、女性特有の症状といった身体の内面が原因となっている状態などを治療することを目的とします。
患者さまの症状に対して施術者の考え、知識、施術技術を駆使して施術します。

リラクゼーションと治療院の違い2:施術内容

施術内容は大きく異なります。

リラクゼーションではお客様の好みの施術、例えば痛いほど強くグリグリ押されたいのか、さするような軽くが良いのか、オイルの有無など、というご要望にあわせて施術を行います。
言い換えればお客様主体です。

治療院では患者さまの症状に対して施術をします。
痛みの部位、動作、検査をした上で原因を判断していきます。

例えば、腰が痛いからと言って腰だけをマッサージするということはありません。
もしその腰痛に腰が関与していない場合は腰に対して施術をしないまま終わる可能性もありますし、腰にアプローチをしたらかえって悪化するケースも少なくありません。
例え患者さまが腰をマッサージして欲しくても、その施術者の考え、検査内容の結果から腰が関係ないと判断された場合は腰へのアプローチはしないことでしょう。
優れた施術者ほど自分の施術に拘り、自信を持っているのでそのスタンスは崩さないことと思われます。
もちろん、「なぜ腰へのアプローチが必要ではないのか」をしっかりと説明してくれるはずです。

リラクゼーションと治療院の違い3:知識

リラクゼーションで働くスタッフは素人の方や専門学校生など、様々です。
勿論リラクゼーション業界でのベテランの方もいらっしゃいます。
独自に勉強している方もいらっしゃいますが、国家試験に合格するほどの知識ではないことの方がほとんどです。
会社に属してその会社の施術マニュアルを覚え、あとはそれを守って施術すれば最低限のリラクゼーション効果を提供できるので、そこまでの知識がなくても施術が可能と言えます。

一方治療院での施術は国家資格保有者が行います。
その資格内容は、

  • 柔道整復師
  • 鍼灸師
  • あん摩マッサージ指圧師
  • 理学療法士

などが挙げられ、これらは3年間の専門学校や4年間の大学を卒業し、国家試験に合格した有資格者となります。
そのため、解剖学や生理学などといった身体の基本的な知識、それぞれの資格に関する治療技術、治療するための専門知識を有しています。

リラクゼーションと治療院の目的が違うからこそ、その為に仕入れる知識も違うのは当然と言えるのかもしれません。

状態を把握し、目的に沿った場所にいくべき

大事なのは今のご自身の状態がどうなのか、ご自身の目的はなんなのかを把握するところから始まり、それにあわせて行くお店、院を選択することです。

冒頭のセミプロアスリートの方は、症状を抱えていてリラクゼーションに通ったけど改善されなかった。これは言うなれば実はずっと日本食レストランに行きたかったのに、なぜか中華レストランに通っていたようなものです。

リラクゼーションと治療院のどちらかに優劣があるという話ではなく、両者には明確な違いがあるのでまずはそれを理解し、使い分ける必要があるということです。
アスリートにとって身体は最重要な武器です。

その武器を磨き上げる為にはどこに行けば良いのかという情報をしっかりと入れておきましょう。
癒やされたい時はリラクゼーションへ、痛みや痺れがあるなら治療院へ行ってください。

著者プロフィール

今野 弘章
今野 弘章
自身の元競泳選手の経験や、「アスリートは体の痛いところを治せば良いわけではない」という考えから、

競技中(日常生活)の痛みの改善
「この部位に力を入れられない」といった身体の悩みの改善
通常時、痛み時のトレーニング
日頃のメンテナンス

など、より良いパフォーマンスにつなげるための、治療、指導を行っております。

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