アイシングの正しい方法とNGな方法

高輪で鍼灸治療院を開いている今野です。

自身が元競泳選手ということもあり、アスリート専門の治療院となっております。

一般的な治療院との違いは、痛みを治すことや硬い部位を緩めるだけではなく、「特定の部位に力が入っていない」ことや「可動域が狭い」あるいは「自覚していない骨格の歪みや筋力不足」などを改善してパフォーマンスアップに繋げることをゴールにしている点です。

今野鍼灸治療院では治療のその先を常にイメージしながら、アスリートの自己実現をサポートしていきます。

激しいトレーニングを行っていたり、コンタクトスポーツをやっていたりすると時々怪我に見舞われてしまいます。
その時に患部が炎症を起こしている場合はアイシングをしますが、当院の患者さまのお話を聞いていると正しくアイシングを行っている方は実は少ないです。
もしくはアイシングには効果がない、と思っている方もいらっしゃいます。

そこで今回はアイシングについて詳しく解説していきます。

アイシングの正しいやり方

アイシングの正しいやり方に関して

  • 確認方法
  • アイシングバッグの用意方法
  • 時間
  • アイシング用ラップ

の4つに分け、解説します。

アイシングをすべきかの確認方法

水泳選手のように両肩にアイシングが必要、という場合を除き、アイシングをすべきかどうかを判断するには患部とは反対側も触ってみる、ということです。
触る時は手の甲で触りましょう。
例えば右腰が痛くて、触ってみたら熱かったとします。
そしたら反対側である左腰を触って比べてみます。
明らかに右腰の方が熱いなら右腰だけにアイシングをします。
右腰が痛いけど、両側熱いと感じる場合もあります。
その場合は腰以外も触ってみて、他の部位よりも熱ければ両側アイシングしましょう。

ご自身で判断できない場合は無理にアイシングをせずに、なるべく早く専門家である治療院へ行くようにしてください。

アイシングバッグ

氷のうに水は入れずに氷だけを入れます。
なるべく中の空気を出して蓋をします。
氷のうがなければビニール袋でも構いません。

ビニール袋を使う場合は袋の半分くらいまで氷を入れます

空気をなるべく抜いた状態にしてから上半分を上端までひねっていき、なるべく口に近い部分を固結びします。

そうすると袋を広げた時に面の広いアイシングバッグが出来上がります。

冷やしたい部位が広かったり、肩など曲線の部位にはこういった形のアイシングバッグの方が使い勝手がいい場合があります。

バッグにせよビニール袋にせよ、中の空気をなるべく抜かないと時間の経過とともに中の空気が増えてしまい、皮膚に対する氷の密着具合が減ってしまいます。

時間

アイシングをする時間は20分間です。
それ以上続けても氷が溶けてなくなるか、冷やし過ぎによる凍傷のリスクが高まります。

逆に短すぎても効果が半減してしまいます。

患部にまだ熱が残っている場合は1回のアイシングの時間を伸ばすのではなく、回数を増やしてください。
その場合は20分のアイシング、最低1時間の休憩時間、20分のアイシングを繰り返して様子をみてみます。
それを熱が収まるまで繰り返しましょう。

アイシング用ラップ

サランラップの半分の長さのラップで、取手もついているために簡単に患部にアイシングバッグをグルグル巻にすることができます。
最近は100円ショップでもたまに見ます。
固定することで移動ができたり、他の部位のストレッチができたりするので何かと便利です。

アイシングNG事例

続いて、アイシングをおこなう上での、NG事例をご紹介いたします。

NG例1:保冷剤

氷がないからといって保冷剤を使う方がいらっしゃいますが、それはやめましょう。凍傷の原因となります。
氷がない場合はコンビニに行って袋に入った氷を買ってその袋のままアイシングしましょう。

NG例2:コールドスプレー

スポーツの現場では大抵用意してあります。
これの利点は氷と違って中長期間置いておける点です。
しかしながら冷やす効果としてはほとんどありません。

スプレーが噴射されている部位は噴射されている時間帯のみ冷えますが、アイシングと同じ20分間だけ噴射し続けることは不可能です。
凍傷になります。
かと言って、何回かにわけて噴射をしたとしても、患部が充分に冷えることはありません。

アイシングをしたほうが確実です。

NG例3:炎症じゃない部位へのアイシング

どこかが痛いからと言ってセルフケアとしてアイシングをする方がいらっしゃいます。
その痛む部位に炎症がないのなら、アイシングをしても無意味であったり、冷やし過ぎによりかえって痛くなる場合もあります。
慢性的にどこかが痛むなら、ご自身で判断せずにケアを受けてその痛みに対してアイシングが有効なのかそうではないのかをしっかりと確認するようにしてください。

アイシングは正しく行うことが大事

アイシングは全ての症状に効果的というわけではありません。
基本的には捻挫や打撲のような外傷、使いすぎによる関節の炎症、ぎっくり腰のような急性の症状に効果的です。
慢性腰痛や肩こりには効果はありません。
また、長ければ長いほど良いというわけでもありません。
正しく理解して、正しいやり方を守ってアイシングをしてください。

著者プロフィール

今野 弘章
今野 弘章
自身の元競泳選手の経験や、「アスリートは体の痛いところを治せば良いわけではない」という考えから、

競技中(日常生活)の痛みの改善
「この部位に力を入れられない」といった身体の悩みの改善
通常時、痛み時のトレーニング
日頃のメンテナンス

など、より良いパフォーマンスにつなげるための、治療、指導を行っております。

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