子供の血圧に目を向ける重要性

高輪で鍼灸治療院を開いている今野です。

自身が元競泳選手ということもあり、アスリート専門の治療院となっております。

一般的な治療院との違いは、痛みを治すことや硬い部位を緩めるだけではなく、「特定の部位に力が入っていない」ことや「可動域が狭い」あるいは「自覚していない骨格の歪みや筋力不足」などを改善してパフォーマンスアップに繋げることをゴールにしている点です。

今野鍼灸治療院では治療のその先を常にイメージしながら、アスリートの自己実現をサポートしていきます。

日本では約4300万人が高血圧といわれています。
これは3人に1人以上という数字です。加齢と共に意識が向くことの多い血圧ですが、実は高血圧は成人だけが気にすべき事柄とも限りません。

そこで今回は未成年者にとっての高血圧として詳しく書いていきます。

血圧の基礎

多くの大人は血圧についてご存知だと思いますし、高血圧で検索すると非常に多くの情報が出てきますので、ここでは簡単におさらいする程度にしておきます。

高血圧は正常血圧からⅢ度高血圧という6つのレベルに分かれています。
最高血圧(収縮期血圧)が130、最低血圧(拡張期血圧)が80以上は高血圧の分類に入ってきますので、それ以上の方は血圧を定期的に測定し、管理するようにしましょう。

高血圧の原因は主に塩分過多、運動不足、肥満、ストレス、飲酒、喫煙、遺伝といわれています。

高血圧は様々な病気に繋がるリスクがあります。

  • 脳:脳卒中、脳梗塞、くも膜下出血など
  • 心臓:心筋梗塞、狭心症など
  • 腎臓:腎不全など

対策は主に日常生活の内容を見直すことです。

  • 食生活:
    塩分を中心に食生活を改善。カリウムを摂取することで塩分(ナトリウム;Na)を排泄しやすくなるので、バナナ、里芋、納豆などのなるべくカリウムの入った食材を選びましょう。
    但し腎臓に障害が始まっている方はカリウム摂取もまた腎臓への負担となりますので、ご自身で判断せずに主治医と栄養士の指示に従ってください。
  • 飲酒・喫煙:やめる、減らす
  • 運動:
    軽いジョギングなどの有酸素運動を最低でも30分、なるべく毎日行いましょう。通勤・通学に一駅か二駅ほど手前で電車を降りて歩くと決めるのも良いです。なかなか忙しい方というのは「帰ってからやろう」と思っていても、つい「明日やろう」と先延ばしにしてしまいがちです。いっそ定期券を手前の駅として購入し、自分の意思とは別にやらざるを得ない環境づくりも大事です。

また、原因の一つとして、「遺伝」を考えられる方も多くいらっしゃいます。
しかし、高血圧症が直接的に遺伝するのではなく、「高血圧になりやすい食生活を共にしていることで、高血圧の親を持つ子供も高血圧になりやすい」というのが正確な表現となります。

今回の記事ではここが重要なポイントになります。

未成年者の血圧

アメリカでは130万人の未成年者が高血圧であるという報告があり、これは未成年者の10人に1人という数字です。
https://www.hopkinsallchildrens.org/ACH-News/General-News/High-Blood-Pressure-in-Teens

これがそのまま日本人にも当てはまるかというとそうとは限りませんが、日本では未成年者の血圧に意識が向かないことのほうが多いこともまた事実です。

特に一緒に生活している成人(親や祖父、祖母など)に高血圧の方がいらっしゃるなら、似たような食生活をしていることが多く、その結果「濃い味付けを好む」や「運動をする習慣がない・少ない」ことによりお子様も高血圧になりやすい環境にいますので、注意が必要です。

なぜ未成人の血圧を気にすべきかというと、主にふたつ理由があります。

理由1:重大な病気が隠れている可能性

高血圧は、重大な病気(心臓、腎臓、内分泌、神経など)が隠れている可能性があるからです。

病気は早期発見が非常に重要です。
血圧を知ることは早期発見のひとつの手段となります。

理由2:実家での生活はそのまま成人後の生活に繋がる

実家での生活はそのまま成人後の生活に繋がります。

成人になり実家を出た後、料理をしないで外食やインスタント食品ばかりを食べる食生活だと血圧は上がる一方です。
運動をしなければ太り続ける人がほとんどです。

お子様が若いうちからいかに食事や運動が大切なのかを教えておくと、実家を出た後もそれを守ってくれる可能性はその分高くなり、血圧が高くなるリスクをその分抑えられます。

日頃から血圧を気にかけ、血圧を正常範囲に保てるなら、それは病気にかかるリスクも低く抑えられるということなので、健康状態が続きやすくなります。

子供の血圧測定時の注意点

測定時の注意点として、以下が挙げられます。

注意点1:計測する場所

白衣高血圧というのがあり、白衣を着ている医師を目の前にして血圧を測定すると、緊張することで血圧が若干上がってしまいます。

これは大人でも普通に起こりうることなので、大人よりも慣れていない子供が病院やクリニックで血圧を測定すると本来の数字よりも高くなる可能性があります。

例えばショッピングセンターのような、お子様がなるべく緊張しない環境で血圧測定をしてみる意識を親が持つようにしましょう。

注意点2:計測箇所

血圧測定器は、手首で測定する方が上腕部(肘と肩の間)で測定するよりも高い数字が出る傾向にあります。

そのため、選択できるようなら上腕部での測定器を選びましょう。

また、小中学生で身体が細い場合は測定器が腕を充分に締め付けられない可能性があり、その場合は正しく測定できません。

マンシェット(腕に巻く部分)はそれぞれ適した腕の周囲というのがありますので、お子様がまだ小さいご家庭は小児用のマンシェットを別途購入する必要が出てきます。
お子様の年齢次第ではご自宅にひとつ血圧測定器を置いておくというのを検討してみましょう。

子供の高血圧に対する家庭でできる対策

未成年者の場合は最高血圧が120、最低血圧が70以上の場合は高血圧前症、つまり要注意ということになります。

日や場所を変えてもこれ以上の数字が出るようなら、心配であればかかりつけ医に相談してみましょう。

ひとまず様子をみたいという方は、食事と運動に目を向けましょう。

対策1:家庭での食事

まずはご家庭での食事に目を向けてみましょう。

塩分というのは食塩だけではありませんので、調味料全般に注意して、味付けを薄くし、お子様が食べる時に味を濃くしようとしたら注意するようにします。

対策2:一緒に運動

血圧という観点だけではなく、そもそも運動というのは子供の成長に不可欠です。

学校の体育だけでは不十分なので、これを機に親子で一緒に運動する習慣を設けてみてはいかがでしょうか。

我が家では小学2年生の長女に習い事以外で

  • 僕が夕飯前に帰れた日は食事前に10~30分のジョギング
  • 土日のどちらかで最低30分の身体を動かす遊び
  • 土日に一緒に出かける際はエレベーターを使わずに階段を使う(マンション含め。我が家は8階)

を一緒に実践しています。

一緒に楽しめる習慣を見つける参考になれば幸いです。

高血圧が病気と繋がるのは大人も子供も同様

高血圧が病気と繋がるのは大人も子供も同様です。
「子供だから無条件に血圧は問題ない」ということではありません。

まずは測定してみる、ちょっと気にしてみるという意識を持ちましょう。

数字が気になるようでしたら、食事内容や運動の日常生活を改善しつつ、なるべく毎月一緒に血圧測定をしてみて、それでも改善しない場合はかかりつけ医に相談してみましょう。

著者プロフィール

今野 弘章
今野 弘章
自身の元競泳選手の経験や、「アスリートは体の痛いところを治せば良いわけではない」という考えから、

競技中(日常生活)の痛みの改善
「この部位に力を入れられない」といった身体の悩みの改善
通常時、痛み時のトレーニング
日頃のメンテナンス

など、より良いパフォーマンスにつなげるための、治療、指導を行っております。

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